入笠山や入笠湿原では秋まで、様々な花々が咲く花の宝庫です。このページでは入笠山や湿原で見られる花をご紹介します。
水芭蕉
サトイモ科多年草
5月上旬
解説を読む
山地の湿地に生える。葉の形が芭蕉に似ていることで名付けられた。花を囲む白い部分を仏炎苞と呼び茎が変化したもの。
姫一華
キンポウゲ科多年草
5月中旬
針葉樹林帯の木陰に生える。根出葉(根から出ている葉)は3枚、包葉(花の下にある葉)は3枚でそれぞれ3つの小葉からなっている。茎の先端に5弁の小さな白い花を1つ咲かせる。
深山延齢草
ユリ科多年草
山地の日陰に生える。3枚の大きな葉の上に、白い3弁の花を上向きに咲かせる。シロバナエンレイソウとも言う。花が紫色のものをムラサキエンレイソウと言う。
一葉蘭
ラン科 多年草
名は葉が1枚だけつくことに由来する。根茎は年に1節ずつ伸び、節から太根をだす。1個の花を横向きにつける。深い山地の針葉樹林内などに生育する草丈10~20cmの多年草。全国32都道府県で絶滅危惧指定。長野県では準絶滅危惧種に指定されている。別名:ヒトハラン、ヒメヒトハラン
筬葉草
ケシ科多年草
5月下旬
本州北部および中部の高山あるいは針葉樹林内にまれに生える。日本特産種。短くて太い地下茎があり、櫛歯状の羽状の長さ6~15cmになる葉を多数根生する。春、高さ20cmぐらいの花茎をのばし、上部に小形の白色の4弁花をまばらにつける。
燕万年青
湿った林の中に生える。茎の先に小さな白い花を複数咲かせる。秋には濃い青色の実をつける。葉がオモト(葉がいつも青々として、大きな株を意味する「大本」の字を合わせて名付けられたらしい)に似ていることでこの名が付いているが、ツバメの意味は不明。
小深山傍食
カタバミ科多年草
山地の林の中に生える。白色または淡紅色を帯びた花を1個つける。「カタバミ」とは暗時に葉が折り畳まれたようになる姿が、方側(傍)の葉が食べられたように見えるから。
鈴蘭
キジカクシ科多年草
大甘野老
6月上旬
山地の草地に生える。茎をやや斜めに伸ばし、葉の腋より釣鐘状の緑白色の花を1~2個垂らす。根は少し甘味があり、薬用。昔は澱粉製造用に使われた。ナルコユリに似ているが、茎の形状が異なる。
二輪草
湿った林の中で生える。茎より柄を付けた葉を付ける。茎の先端に5弁の白い花を咲かせる。(葉に柄がない花がニリンソウ)
白花の蛇苺
バラ科多年草
日当たりの良い山地に生える。5弁の白い花を咲かせる。ヘビイチゴは黄色い花を咲かせる。7月~8月にかけて実をつける。苺の原種だそうで味も香りも似ている。
喘息薬種
ユキノシタ科多年草
山地の日陰に生える。白色の小さな花(直径数ミリ)を茎の周りに咲かせる。ズダは方言で喘息を示し、薬効があるようです。
桷
バラ科落葉高木
明るい山地に生える。花の蕾は薄赤色だが、咲くと白くなる。コナシ(小梨)とも言う。
褄取草
サクラソウ科多年草
山地の樹の下に生える。葉は広く茎の上部に4~5枚付け、茎の上に白い小さな花を一つ咲かせる(花びらは7枚)。褄取とは和服の褄を手でつまんで持ち上げることで、そのときに着物の赤い裏地が見える様に花の縁取りが見られることから名付けられた。
舞鶴草
各地の深山の樹林下に生える。高さ10~25cm。葉は卵状心臓形で柄があり、茎の上部に2~3枚つき、地下茎を伸ばしてふえる。初夏、茎頂に白い4花被を持つ小さな花が10数個穂状に集まって咲く。果実は小球形、初め紫褐色の斑点があるが、のち赤く熟する。
三つ葉黄連
本州中部以北の高山の樹陰に生える。高さ5~15cm。根茎は黄色い糸状で地中を横にはう。葉は根生する三出複葉で長柄をもち、小葉は広倒卵形で縁に鋸歯がある。夏、花茎の頂に1個の花をつける。5枚の萼片は大きく白いので、花弁のように見える。根茎を健胃薬に用いる。
稚児百合
6月中旬
山地の林に生える。茎の上部に先が尖った長楕円形の葉を付け、その先に白い小さな花を咲かせる。小さくて可愛い花なのでこう呼ばれる。
如意菫
スミレ科多年草
山野の湿ったところに生える。花は白く大きさ1cmぐらいで、紫のすじがある。葉の形が僧の持つ仏具の如意に似ていることからこの名が付いた。
御前橘
ミズキ科常緑多年草
6月下旬
中部地方以北の山地の針葉樹林下に群生する。高さ7~15cm。葉はおおむね楕円形で、先はとがり全縁。葉序は対生だが見かけは4~6枚ずつ輪生のように見える。夏、茎頂に短い柄のある花序を直立し、白い花弁のような四枚の総苞(ほう)片が平開して多数の微小な淡緑色の花をあらわす。
泡盛升麻
7月上旬
山地に生える。茎の先に白い小さな花を円錐状に咲かせる。
唐松草
山地の草地に生える。白または帯紅色の小花を多数半球状に咲かせる。花がカラマツの葉に似ているので名付けられた。
小葉の一薬草
イチヤクソウ科多年草
山地の林の中に生える。葉は縁に鋸歯がある楕円形または円形の葉を4~8枚、1.5cmほどの小さな白い花を3~5個つける。
笹葉銀蘭
ラン科多年草
山地の林の中に生える。茎の先に複数個の白い花をつける。笹の葉に似た葉を6~8枚交互につける。花はギンランよりやや大きい。
鋸草
キク科多年草
山地の草地に生える。茎の上部に約1cmの白い花を房状に多数咲かせる。葉が鋸のようなので名付けられた。
鵯花
山地の草地に生える。白色または薄紫色の花を咲かせる。ヨツバヒヨドリに似るがヒヨドリバナの葉は対生している。ヒヨドリが鳴くころ咲くので名付けられた。
四つ葉鵯
山地の草地に生える。白色または薄紫色の花を咲かせる。茎は分枝しない。ヒヨドリバナの変種で、葉が3~4枚輪生(茎に数枚の葉が集まって付くこと)している。ヒヨドリが鳴くころ咲くので名付けられた。
深山梅惠草
深山の湿った草地に生える。花が梅に似、葉が「蕙蘭(けいらん)または紫蘭(しらん)」に似ているので名付けられた。
薄雪草
7月中旬
山地の草地に生える。灰白色の小さな花を茎の先端に咲かせる。白い花びらのように見えるのは葉。葉がうすく積もった雪のように見えるので名付けられた。
鷺菅
カヤツリグサ科多年草
本州中部以北の高原湿地に生える。高さ20~50cm。葉は細長く三稜形でまん中に溝がある。初夏、花茎の頂に白い綿毛状の毛が密生した長さ約1cmの楕円形の花穂を数個つける。
猪独活
セリ科大形多年草
山地の草地に生える。枝先に小さな白緑色の花を多数付け全体で20cmぐらいの花を咲かせる。ウドに似ているが苦くて猪位しか食べないことから名付けられたようだ。
大葉川芎
セリ科多年草
8月上旬
北海道、本州中部以北の山中の渓谷などに生える。茎は太く柔らかく中空で、直立するが上部で枝分かれする。高さは80~120cmになる。葉は、円くふくらんで、柄があり、羽状複葉に分裂する。小葉は卵形で、先端は尖り、縁には鋸歯がある。秋、枝の先端に白色の小花が傘状に密生して咲く。
千手岩扉
ナデシコ科多年草
中部地方以北の本州の深山や高山に生える。茎は高さ30~80cmで葉とともに軟毛を散生する。葉は長さ5~10cmの卵状楕円形で対生する。夏、径約2cmの純白色五弁花を数花開き、各花弁の縁にはふぞろいの歯牙がある。
毛氈苔
モウセンゴケ科多年草
日当たりの良い酸性の湿地に生える。細い茎を伸ばしその先端に白い小さな花を数個咲かせる。小さい食虫植物で、ねばねばした葉の線毛で小昆虫を捕らえて養分とする。苔と名前がつくが苔類ではない。
男郎花
オミナエシ科多年草
各地の山野で日当たりのよい場所に生える。茎は直立して高さ60~100cmになる。全体に毛が密生。葉は対生し長さ3~15cmになり羽状に分裂し、裂片は長楕円形で最上部の裂片は他より大きい。晩夏から秋にかけて、枝の先端に白い小花が密に集まって咲く。実はうちわ状の翼(つばさ)をもつ。
山母子
山地の日当たりの良い場所に生える。葉は長さ6~9cmでやや厚めで脈が3本ある。茎の上部に球状の白い小さな花を複数咲かせる。冠毛がほおけ立つ(穂穂ける・毛羽立つ)ことから「ホウコグサ」と呼ばれたのが変化して母子草となったらしい。母子草は黄色い花。
曙草
リンドウ科2年草
8月中旬
山野の水辺に生える。白い5枚の花びらを咲かせ、各花びらには2つの緑色の斑点と複数の黒の細かい点を付ける。花びらの白い部分を明け方の空(曙)、黒の点を星に見立ててその名が付いた。
梅鉢草
山地の湿地帯に生える。背丈は15cmぐらいで、茎の上部に直径2cm前後で5弁の白い花を咲かせる。花の形が梅鉢紋に似ていることから名付けられた。
奥紅葉白熊
8月下旬
山地の林下に生える。モミジハグマの変種。花は白色で穂状に多数つける。ハグマとは、仏具の払子(ほっす)飾りに使うヤクの尾の毛のことで、花をそれに見立て葉の縁の切れ込みがモミジの葉に似ていることからこの名が付けられた。
胡麻菜
山地に生える。茎の先が多数に分岐して白い花を咲かせる。名前の由来は不明。
猫目草
各地の山野の湿ったところに群生して生える。高さ5~20cm。茎は地表をはい、節から根をおろす。葉は卵形で小さく柄をもち対生。3~4月、茎頂に淡黄色の小花が集まって咲く。花は花弁がなく、4個の萼片と花柱が二分する。1個の雌しべと4個の雄しべからなる。果実は深く2裂し左右の大きさが違い、形が猫の昼間の目に似る。
三つ葉土栗
山野の日当たりの良いところに生える。花は黄色で5枚の花弁をつける。土の中の根茎に栗のような塊をつくることからこの名が付いた。
馬の足形
日当たりの良い草地に生える。長い小枝上の茎の先端に黄色い花を咲かせる。有毒(プロトアネモニン)。根出葉(根から出たように見える葉)の形が馬の足に似ている?のが由来のようだ。
雄宝香
本州、四国、九州の山中の湿潤な場所に生え、茎は高さ1~2mになる。葉は径40cmぐらいの心臓状の卵形または楕円形で、縁に鋸歯をもつ。根生葉には長い柄があり大形。夏、黄色い頭花が茎の上方に総状に集まって咲く。
黄花の山苧環
山地の草地に生える。花色は黄色(薄い)。苧環(おだまき)は、紡いだ麻糸を丸く巻いたもので、花の形がそれに似ているから。
沢菊
山地の林内の沢沿いに生える。直径約1cmの黄色の花。種子を飛ばす時の状態が白いぼろきれのように見えるので「ぼろぎく」とも言う。
信濃弟切
オトギリソウ科多年草
山地の湿地帯に生える。茎の先端に数個の黄色い5弁の花を咲かす。おとぎりそうに比べて葉が楕円。切り傷の止血薬として用いられる(漢方薬の「小連ギョウ」)。山形の尾花沢には「おとぎり草茶」という健康飲料がある。
黄釣舟
ツリフネソウ科1年草
山地の多湿地に生える。黄色の花で、花の形が帆掛船をつり下げたように見える。赤紫色の「つりふねそう」も咲く。
大根草
山地の草地に生える。花は黄色で、根元の葉が大根の葉に似ていることから名付けられた。
黄苑
山地に生える。黄色い舌状の花を約5個つけた花を10個ほど茎の上部に咲かせる。黄色に茂るので名付けられた。
草連玉
日当たりの良い山地の湿地帯に生える。茎の上部から先端にかけて1cmぐらいの黄色い花を多数咲かせる。マメ科の木にレダマと言うのがあり花の色が似ているので名付けられた(花は似ていない)。花の色からいおうそう(硫黄草)とも呼ばれる。
女郎花
日当たりの良い山地に生える。枝別れした茎の上部に黄色い小さな花を咲かせる。「おみな」は「女」を示し、「えし」は古語の「へし(圧)」からで、美女を圧倒する美しさということから名付けられた。 また、もち米でたくご飯(おこわ)のことを「男飯」といったのに対し、「粟(あわ)ご飯」のことを「女飯(おみなめし)」といったことからおみなえしになったと言う説もある。
麒麟草
ベンケイソウ科多年草
草地に生える。茎の上部で多く枝分かれし、径12mmほどの黄色5弁花を多数咲かせる。花が美しいので名付けられた。
花碇
山地の日当たりのよい草地に生える。淡黄色で柄のある小花が数個咲く。花の形が船の碇に似ているので名付けられた。
反魂草
山地の多湿の草地や湿地に生える。黄色い頭花を多数つける。反魂草の名前の由来ははっきりしないが、反魂というのは香の名前で昔、タバコにもこの名前があったそうだ。
丸葉岳蕗
本州の深山や高山の草地に生える。高さ0.5~1m。葉は腎臓状円形で長さ約10cm、幅約20cm。縁に鋸歯がある。7~8月、茎頂に頭花を散房状につける。頭花は大きく径約8cm、舌状花は黄色で10個ほどつく。
秋の麒麟草
山野で日当たりのよい所に生える。黄色い小さな花を円錐状の穂のように咲かせる。花の美しさをベンケイソウ科のキリンソウにたとえ、秋に咲くことから名付けられた。麒麟の由来は不明だが、黄輪草とも書く。
片栗
日陰の山地に生える。長楕円の卵型の葉を2枚(まれに3枚)の葉を付け、茎の上部で下向きに花を1つ咲かせる。名前の由来は、葉の形が栗の葉に似ていることから「片栗」となった説と、花が傾いた籠状に咲くことから「カタカゴ」と呼ばれ、それが「かたくり」になったと言う説がある。
敦盛草
釜無ホテイアツモリソウは、野生での絶滅の危険性が極めて高い絶滅危惧種ⅠA類に区分されており、「幻の花」と言われるほど希少価値の高いお花。
走野老
ナス科多年草
山地の日当たりの良いところに生える。花は鐘形で暗紅紫色。猛毒植物で食べると幻覚症状をおこし、ところかまわず走りまわることからこの名がついた。
九輪草
北海道、本州、四国の山地の湿地に生える。葉間から高さ30~60cmになる花茎をのばし、その上部に紅紫色で先が五裂した筒状花を数段に輪生する。花の姿を仏塔の屋根にある「九輪」に似ていることから名が付けられた。
紅花一薬草
山地の木陰に生える。イチヤクソウの種類では珍しく薄赤色の花を咲かす。一番よく効く薬草であるとか、この草が一夜で現れるので「一夜草」というのが変化したという説がある。
蓮華躑躅
ツツジ科落葉低木
北海道南西部、本州、四国、九州の山地に生え、高さ1~3m、枝は車輪状に2~6分枝する。葉は互生し柄をもち倒披針形で縁は波状、長さ5~10cm。花冠の5中裂した径5~6cmの漏斗状鐘形花が枝の先の花芽から出る短い総状花序に2~8個つく。花は朱紅、紅黄、または黄色。雄蕊は5本。子房には毛が密生。
伊吹麝香草
シソ科小低木
山野の日当たりのよい岩地に生える。淡紅色で唇形の小さい花が茎の上部に集まって咲く。伊吹山に多く、全体によい香りがあるので名付けられた。葉、茎、花穂は香料、薬用になる。
蝦夷河原撫子
山地の草地に生える。淡い赤紫色で針状の形をした花を茎の先に咲かせる。花の可憐さから「愛しい子」を表す「撫し子」が名の由来。「なでるほどかわいい子」から名付けられたと言う説もある。
野薊
山地の草地に生える。淡紫色で大形の花を付ける。花の先端が粘着する(似た花にノハラアザミがあるがこちらは粘着しない)。
山蛍袋
キキョウ科多年草
各地の山地の林のふちや道にそって生える。高さ30~80cm。全体に粗毛を散生する。根生葉は長柄をもち卵形で縁に鋸歯がある。茎葉は長卵形で無柄。夏、梢上の葉腋から先の浅く5裂した長さ約5cmの鐘形花が数個垂れ下がって咲く。
野原薊
山地の草地に生える。淡紫色で大形の花を付ける。ノアザミに似ているが花の先端が粘着しない。
紅輪花
日当たりの良い山地に生える。茎の先端に橙色の花をいくつか咲かせる。花びら(舌状花)は少し垂れ下がって咲く様子からこう呼ばれる。
下野
バラ科落葉低木
各地の山地に生え、観賞用に栽植。高さ約1m。葉は互生し、短柄があり、葉形はふつう長さ5~8cmの広卵形で両端はとがり縁に鋸歯があり、裏面は粉白色。初夏、枝先に径7cm内外のほぼ平たい花序を出して、径約5mmの淡紅色の5弁花を多数つける。
車百合
7月下旬
本州中部以北の深山の草原や林中に生える。茎は春に地下の白色球状の鱗茎から出て、高さ30~60cmになる。葉は長さ10cmぐらいの披針形で、茎の中ほどに6~15葉を放射状に輪生し、車の車軸のように見えることから名が付いた。
赤花
アカバナ科多年草
水湿地に生える。紫紅色の小さな4弁花をつける。入笠湿原には葉が細い「ほそばあかばな」も存在する。名は葉が紅葉して赤くなることに由来している。
犬胡麻
シソ科多年草
山地の湿地帯に生える。淡紅色の唇形の花を咲かせる。実の形がゴマに似ていて、役にたたないので名付けられた。
車花
山地に生える。枝先に紅紫色の小さな唇形花を数段輪生させる。この形から名付けられた。入笠全域で見られる。
小鬼百合
山地の草地に生える。直径10cmほどの朱赤色の花を咲かせる。クルマユリより少し大きく、葉のつき方は互生している。オニユリに似ていて小さいので名付けられ、オニユリと違って「むかご」をつけない。
田村草
山地の草地に生える。アザミに似ていて紅紫色の花を咲かせるが、葉に刺が無い。名前の由来は不明。
乳茸刺
草地や湿地に生える。赤紫色を帯びた白色のごく小さな五弁花を円錐状に多数咲かせる。茎は細くて硬いので、キノコのチチタケ(乳茸)を刺して持ち帰る風習があることから名付けられた。
釣船草
ツリフネソウ科1年草
谷川の湿った場所に生える。赤紫色の花で、花の形が帆掛船をつり下げたように見えるのでこう呼ばれる。黄色い花のきつりふね(黄釣舟)もある。
白山風露
フウロソウ科多年草
山の山地に生える。葉は5つに分かれ、それぞれに切れ込みがある。薄紫の5弁の花を咲かせる。
柳蘭
高原のやや湿った草地に群生する。紅紫色の4弁の花を穂状に多数咲かせる。葉がヤナギに似て、花がランの様に美しいことから名付けられた。
吾木香
各地の山野に群生する。高さ0.6~2m。夏から秋にかけて、卵形で長さ2~3cmの濃紫色の花穂をつける。花弁はなく、萼裂片が花弁状。根は漢方で地楡と呼び、止血・収斂薬に用いる。
弁慶草
山地の草地に生える。茎の上部に淡赤色の小さな花を球状に数個咲かせる。茎葉が多肉質で、切って捨てても枯れないという意味から、古くは、伊岐久佐(いきくさ)と呼ばれ、その後に、武蔵坊弁慶のように、枯れない強い草という意味から、ベンケイソウという名になったという由来がある。
立壺菫
山野の日当たりの良いところに生える。花の大きさは1.5~2.5cmで淡紫色。茎がすっと立ち、坪(庭)に咲くことからこの名が付けられた。
筆竜胆
リンドウ科2年草
山地の日当たりの良い原野に生える。茎の先に青紫色の花を数個つける。花の形が筆の穂先に似ていることからこの名が付いた。
紫華鬘
ケシ科越年草
平地や山麓の日陰でやや湿ったところに生える。花は紅紫色で茎の上にびっしりと総状につける。仏殿の欄間などの装飾具である華鬘(ケマン)に似ることからこの名が付いた。
羅生門蔓
山地の木陰に生える。花は紫色。京都の羅生門で渡辺綱が鬼退治をしたときに切り落とした鬼の腕に見立てた名前。
菖蒲
アヤメ科多年草
山地の草地に生える。茎の先端に紫色の花を咲かせる。外側の花びらの付根に黄色と紫色の網目がある。
靫草
日当たりの良い草地に生える。紫色の唇形の小花を密集させて咲く。武士が矢を入れて背負った靱(うつぼ)に似ることからでた名。
九蓋草
ゴマノハグサ科多年草
山地の草地に生える。淡紫碧色の小花を密生した長さ10~20cmの花穂をつける。葉が数段層になってつけることから由来する名。
手形千鳥
山地の草地に生える。淡紫色の小さな花を茎の周りにたくさん咲かせる。手の形をした根がありこの名前が付いた。
野花菖蒲
多湿の草地に生える。入笠湿原に自生するノハナショウブは、色・形など他には見られない重要な資源とされ、稀少な群生地にあげられている。紅紫色の花で基部に黄色い部分が目立つ。「はなしょうぶ」の原種。
小葉擬宝珠
山地の多湿地に生える。花は白色で数個咲かせる。つぼみを橋の欄干の擬宝珠に見立てて名付けられた。「おおばぎぼうし」と言うのもある。
沢桔梗
山地の湿地帯に生える。茎の周りに青紫色の花を多数咲かせる。水の流れに沿って群生する。
蕎麦菜
本州、四国、九州、朝鮮、中国の山地に生える。高さ0.5~1m。葉は互生し、長柄をもち、葉身は長さ10cm内外の卵形または楕円状卵形で軟かく、先はとがり縁に不規則な鋸歯がある。夏から秋にかけ、茎の先がまばらな円錐花序となり、漏斗(じょうご)状で先が5裂した淡紫色の花を下向きにつける。
釣鐘人参
山地の草地に生える。茎の周りに釣鐘状の薄い青紫色の花を多数咲かせる。花の形と、根がチョウセンニンジンに似ていることから名付けられた。ここらではミネバ(トトキと言う地方もある)とも言い、若い葉を摘んで味噌汁などに入れて食べることもある。
細葉鳥兜
山地の日当たりのよい多湿地に生える。茎の先に紫色の花を咲かせる。有毒。トリカブトには、ヤマトリカブトもある。
松虫草
マツムシソウ科2年草
山地の乾いた草地に生える。茎の先端に薄紫の花を咲かせる。花が咲き終わったあとに残る坊主頭状の花托の形が、歌舞伎の呼び出しに使われる「松虫鉦(まつむしかね)」に似ているからとか、「松虫」が鳴くころ咲くからということから名付けられた。
伶人草
山地の草原に生える。淡紅紫色の大きさ1~1.5cmの花を多数つける。花の形が舞楽を演奏する伶人に似ていることからこの名が付いた。
蓮華升麻
深山の林内に生える。径約3cmの淡紫色の花を下向きに咲かせる。今はあまり見かけない。花がハス(蓮華)のように咲き、葉がサラシナショウマに似ているので名付けられた。
草牡丹
山地の草地に生える。茎は直立して枝分かれし、その先端に薄紫の釣鐘状の花を複数咲かせる。葉の形が牡丹の葉の様なので名付けられたようだが、あまり似ていない。
蝦夷竜胆
リンドウ科多年草
山地の多湿地に生える。茎の上部および葉の間に紫色の花を咲かせる。北方に多いことで蝦夷と名付けられた。
野紺菊
山地に生える。薄紫色の花を茎の上部に咲かせる。ヨメナとよく似ているがノコンギクには4~6mmの冠毛(花の付け根にがくが変化してできた密集した毛)がある。唱歌の「野菊」はこの花の歌だそうだ。
座禅草
山地の湿地に生える。花の形が僧侶が座禅を組む様なので名付けられた。花を囲む茶褐色の部分を仏炎苞と呼び茎が変化したもの。葉は花が終わってから出てくる。達磨大師にちなみ、ダルマソウ(達磨草)という別名もある。
車場衝羽根草
各地の深山の樹林内に生える。ツクバネソウに似ているが、葉が6~8片輪生する。夏、葉心に直立した花茎を伸ばし、その先に淡黄緑色の4弁花を単生する。
浅間風露
フウロソウ科 多年草
碇草
メギ科 多年草
生馬
ガガイモ科 多年草
姥百合
ユリ科 多年草
蝦夷小林檎
バラ科 落葉小高木
燕尾仙翁
ナデシコ科 多年草
奥車葎
アカネ科 多年草
大山衾
朮
キク科 多年草
キキョウ
キキョウ科 多年草
草藤
マメ科 多年草
熊谷草
郡内風露
現の証拠
顔剃菜
桜草
サクラソウ科 多年草
三輪草
キンポウゲ科 多年草
下野草
バラ科 多年草
猩々袴
メランチウム科 多年草
待宵草
アカバナ科 多年草
天南星
サトイモ科 多年草
南蛮繁縷
苦苺
バラ科キ落葉低木
日光黄萓
ススキノキ科 多年草
節黒仙翁
虫狩
スイカズラ科 落葉小高木
矢車草
ユキノシタ科 多年草
山桜
バラ科 落葉高木
山芍薬
ボタン科ボ多年草
山百合
夕萓
雪笹