ミトコンドリアで活性化。発熱する植物、ザゼンソウ。
ザゼンソウはサトイモ科の多年草で、紫褐色の大きな仏炎苞(ぶつえんほう)を仏像の光背に、中の黄色い花を僧侶に見立て、僧侶が座禅を組む姿に似ていることがその名の由来といわれています。
また発熱する植物としても有名で、ザゼンソウの花の部分は20℃程度に発熱しているのです!
ではなぜザ、ゼンソウは発熱するのでしょうか? ザゼンソウは根に蓄えたデンプンと酸素をミトコンドリアで結合させることで活発化させ発熱しているそうです。発熱時には、生臭い、肉の腐ったような悪臭(人間にとって)を発します。 北米大陸にもいて、その臭いからなんと英名はスカンク・キャベツ(Skunk Cabbage)と呼ばれています。 虫の少ない時期に咲く花なので、臭いはその時期にわずかにいるハエの仲間をおびき寄せるためと考えられています。 このため発熱もハエ類をおびき寄せる目的があるのかも知れません。ハエも寒いよりは暖かい部屋で食事したいでしょうから。
山間の湿地帯に生息し、真冬の厳しい寒さの中で自ら発熱し、雪を割って地表に現れるその姿に、春への訪れを感じます。
幸福を呼ぶ縁起のよい花とも言われるザゼンソウを、入笠湿原の遊歩道を散策しながら見つけてください。
入笠山の見ごろは5月上旬です。
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